2012.10.21 福島県いわき市の東日本国際大学で行われた「仮の町構想をどう考えるか 第2回ふくしまフォーラム」の動画です。
「仮の町」という名前ばかりが独り歩きしていて、現状はなかなか前に進んでいない仮の町構想。復興計画に関わっている丹波史紀氏(福島大学行政政策学類准教授 福島大学災害復興研究所)と、水田健氏(東日本国際大学経済学部教授)の2人が、「実際のところ、どうなっているのか」を丁寧に話した。 丹波氏、水田氏ともに講演で「仮の町構想を推進しているわけではない」という前置きをし、矛盾点や考慮が必要な点を明確に話した。時間もお金も行政職員も技術も何もかもが足りていない。簡単には進まない状況が重くのしかかってくる。 参加者との意見交換では、仮の町構想への不安や不満、さらには政府への不満が次々と飛び出した。丹波氏、水田氏とも、仮の町構想を先頭に立って進める立場ではないというのに。わかっていても、福島の現状の厳しさは、憤らずにいられないのか。原発を抱えてきた町、周辺の町にもともとあったであろう差別や断絶が、この災害をきっかけに噴き出し、渦巻いているように感じた。そこに首都圏から参加した人が放射能の危険性や政府の落ち度を指摘する。まるで存在しない犯人探しのようだった。 意見交換の最後、丹波氏は「総理大臣になった気分で聞きましたが…私は研究者なので、皆さんの声すべてを受け止めます。」と言いつつも、苦しそうに自身の話を打ち明けた。「…個人的なことは言わないようにしているのですが…私が住む福島市内の大学の宿舎の駐車場は昨年12月で8マイクロシーベルト、除染して5マイクロ、その後5月には5.6マイクロ。完全にホットスポット。なおかつ、うちの子供も甲状腺にA2のう胞が見つかりました。批判されている僕も被災者ですよ、と言いたくなってしまう。先ほど首都圏の方が(放射能の危険性について)言われましたが、たとえば選択的避難の権利として年間5ミリシーベルト以上で避難とした場合、僕もその権利あってよいと思います。ただ、首都圏が、福島県内からたとえば100万人を受け入れる責任や覚悟はあるのか。この原発災害は東京電力福島第一原発から出されたものです。福島県のものではありません。首都圏の生活を支えてきたわけです。それなのに(受け入れる覚悟という)メッセージが首都圏から発せられないことがむしろ歯がゆい。」 すでに3・11から1年半以上が経った。忘れてはいないか。今も苦しんでいる人たちのこと。東京電力の電気を使っている私たちの後ろに、この風景があること。災害の危険性は、全国どこにでもあるということ。目をそらさないでほしい。 丹波史紀氏(福島大学行政政策学類准教授 福島大学災害復興研究所) 水田健氏(東日本国際大学経済学部教授) 意見交換 仮の町構想をどう考えるか 第2回ふくしまフォーラム http://fukushima.socialforum.jp/ 木村静YouTubeチャンネル、再生リストを整えました。 https://www.youtube.com/user/cizcak/videos?flow=grid&view=1
by channelp
| 2012-11-13 22:48
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