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歌うヴァイオリン―ヴィアルド一族の室内楽

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「津田ホールで聴く女性作曲家-第3回 ポリーヌ・ガルシア=ヴィアルド没後100年記念コンサート 歌うヴァイオリン―ヴィアルド一族の室内楽」に行ってきた。

ヴァイオリンが、こんなにも激しくて情熱的な楽器だったなんて。

ドレスを着た女性ヴァイオリニストの細い腕がものすごい速さで動いて、表情も豊かで、鋭い眼光まぶしくて、ヴァイオリンが弓矢のように見えてくるほど、その姿は獲物を射る狩人みたいで、かっこよかった。

ああ美しき肉食系。

両親共に音楽や舞台に関わってきた音楽一家で、オペラ歌手で作曲家だったラテン系フランス人女性ポリーヌ、どんな人だったんだろう。写真ではとっても穏やかそうに見える。

19世紀後半~20世紀初頭、女性作曲家の地位は認められず、楽譜が出版されても、女性に四重奏は作れない、などと差別され、大事に扱われなかったようです。

そんな誰も知らない、誰も演奏したことのない、女性作曲家の楽曲を発掘し、演奏会を開き、広める「知られざる作品を広める会」の活動の面白さと、女性作曲家がいたなんて聞いたことなかったという驚きで、友人のIさんから誘われて即決で行ってみることにしたのです。

誰も演奏したことのない楽曲だから、演奏家も手探りで、奏者の息が合った瞬間に、
「あ、こういう曲なのか」とわかったり、
「本番の緊張感、客席の空気も合わさって、やっとわかった」
という感触だったりするのだと、演奏後のトークで。

そんな、世界で初めての瞬間に出会えたこと
作曲された当時を考えると、100年ぶりの曲の復活とも言える場に居合わせたことが、嬉しかった。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノの四重奏と、ヴァイオリン、ピアノのデュオの繰り返し、500名の小さなホールで私は前から2列目。

出演した5人の演奏家、とくにヴァイオリンの小林美恵さん、大谷康子さんの強くて美しい演奏に惹かれた。
演奏家の息遣いが伝わってくる距離の近さも素晴らしかった。
by channelp | 2010-05-20 22:18
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