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国際福祉機器展

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10月1日は『福祉用具の日』(※)で、この日は東京ビッグサイト『国際福祉機器展』へ。
最近、福祉関係の広報の仕事もいただいたが、まだ勉強中で、その一環で行った。

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福祉機器といっても幅が広くて、車椅子やベッド、手すり、リフォーム関係、自動車、自動車の乗降設備、入浴器具、紙おむつ、補聴器、ペースト状の食品(「かぼちゃの煮つけ」まあまあおいしかった)、口腔ケア用品、食器、しょうがいのある子も着れる子ども服、子どもの脳や体を刺激するおもちゃ、ヘルパーさん用の腰や腕につけるサポーターや、ユニフォーム、施設や家庭で使うSOS発信のコンピューターシステム、手芸キット。本当にいろいろだった。

500ほどの企業や法人が出展していて、ものすごいバリエーションに驚く。同時に技術革新にも驚く。

驚いたものをいくつかあげてみる。

入浴機具では、座ってスイッチを入れると自動的に座席が持ち上がり、身体を浴槽の上まで運ぶ。次のスイッチで浴槽が上に上がってくる。お世話する人の身体の位置にも合わせられる、というもの。

また、真ん中から2つに割れた、大きなカプセルのようなものがあると思ったら、それは座ったまま全身にシャワーを浴びられる機具だった。

プレゼンテーションも各社それぞれだった。
一番印象に残ったのはパナソニックの電動(ロボット)ベッドのプレゼンで、引き締まったプロモーションビデオを生で見せられた感じ。けっこうな人だかりができていた。1段高く作られたステージがTVのセットのようで、MC、手話通訳と、ベッドに横たわる女性。プレゼンのMCがおそろしく、それっぽい感じ。ベッドもけっこうなハイテクで、声で反応するロボット。寝ている人が「○○ベッド」と呼ぶと「ハイ」と女性の声で答える。「背上げして」「セアゲデスネ」「はい」「セアゲシマス」という会話。観客から「おお」と歓声が上がっていた。
会場では、ものすごくかっこよく思えたが、今思い出すと、カプセル型のベッドは日焼けサロンを思わせ、また大きすぎてかなり場所もとるだろう。演出の効果とは、こういうことか。
同じ寝具では、モルテンの出展もあった。リクライニング布団。ベッドではなく、布団。ベッドではなく、地面に寝たい人にいい。和室にいい。斬新だった。モルテンは、ボールなど球技のスポーツメーカーと思っていたら、こういう商品開発もしていたのにも驚く。

競い合うようなプレゼン合戦で、コンパニオン4人が並び、一人がメイン、一人は手話、時折声をそろえて、という数で勝負式の自動車メーカーや、男女の掛け合いでTV番組風のところ、王様のブランチの通販コーナーの寸劇風のところ、女性MC単独のイベント風、電気店で見かけるお客さん呼び込み風、白衣のお医者さん(か、扮した人)が説明したり、社員さんが説明していたり。

排泄用品で驚いたのは、おむつの中のセンサーが水分を感知すると猛スピードで吸収してくれる機具。特に夜中のおむつ交換の回数を減らせるから人気があるという。

客層もまたさまざまで、(職業別に受付でシールを渡され体に貼る)福祉の仕事(機具販売者、施設職員、ケアマネジャー)や、しょうがいのある方と家族、学生、制服姿の高校生も。

専門的なことはわからないけれど、自分の体がきちんと動くことを考えさせられた。この日も、生理でだるいとか、腰が痛いとか思いながらも、自分で立ち、歩いて、電車に乗り、光に当たりたければ太陽の下を歩き、眩しければ日陰を歩くことができる。食べたいときに食べたいものを食べ、トイレに行きたいときに行ける。単純に、それができるから幸せだ、できないから不幸だとは思いたくないけれど、今できることを維持し続けたいと思った。
同時に、一人実家で暮らす母を思った。今年の春に定年を迎え、町内会の福祉担当になり、休日は亡き祖父が通っていた老人クラブのボランティアに行っている。最近、柔軟体操やスクワットをして足腰を鍛え出した。出向く先で年配の方から色々な話を聞いたり、見たりして、思うところがあったのかもしれない。

さらに考えたのは、やはりお金のことで、お金で環境を改善することは可能で、それによって心や体の負担を軽くすることもできる。しかし、そんなにお金持ちになる予定が無い私の場合は、はてさて・・・

そういう意味では、看護士や介護福祉士などが運営する「NPO法人動作介助研究会」が行っていた、動作介助の発表は意義深いものだと思った。寝ている状態の人の体を起こし、車椅子に座らせるとき、介助する側される側の両者にとって最も負担の軽い動作介助の方法という発表だった。自分より体の大きな人を無理なく動かす術は見事だった。

なんとも複雑で、結局今の私には、健康管理と維持は大切だ、という言葉しか出てこなくて、不慮の事故や、病気や、先天性のしょうがいなどを考えると、健康維持とかいう問題でもないような気もしていて、難しい。

生きることも難しいし、生きることを考えることも、また難しい。


※「福祉用具の日」とは
福祉用具は、高齢者や障害者の日常生活や社会参加にとって大切なものです。しかし、一般には余りなじみがないので、必要な状態になっても、その存在を知らなかったり、例え知っていても周囲を気にして使う事をためらうケースが多いのではないでしょうか。高齢化の進展や、ノーマライゼーションの考えが普及していく中、必要とする誰もが福祉用具を利用しやすい環境をつくっていくことが、今まさに求められています。私たちは、多くの方々に福祉用具を知っていただき、社会全体が福祉用具を身近に感じられるよう、平成14年から10月1日を「福祉用具の日」とし、この日を通じた福祉用具の普及・啓発キャンペーンを全国一斉に取組み始めました。
 「福祉用具の日」を10月1日としたのは、平成5年の福祉用具法の施行日にちなんだためです。
 この法律は、高齢者及び障害者の自立の促進、介護者の負担軽減を図るため、福祉用具の普及・開発の促進を目的としています。そして10月1日。同法施行を記念して9月、10月を「福祉用具の日」推進月間とし、同法の精神が社会にいっそう浸透し、福祉用具がメガネのように身近な生活用具となっていくよう、全国各地で様々な取組みを行っています。
(社団法人 日本福祉用具供給協会HPより)

by channelp | 2009-10-03 04:50
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