作品番号50 R&Sie建築事務所 アスファルト・スポット 解説 彦坂尚嘉(芸術家) コメンテーター 五十嵐太郎(建築批評家) 山田幸司(建築家) == 8/9、初日、十日町駅から最初に向かったのがここ(だったはず)。 のっけから、建築系のひとは視点が違う、と実感した。これは面白いツアーになりそうだ、いっぱい話を聞いてみよう、と思った。 建築史家で建築評論家の五十嵐太郎さんが、次のスポットで思い出してこんなことを言った。 「駐車場を見るために駐車場に行った、っていう・・・」 買い物や、休憩、レジャーなど、他の目的を達成するため、車を一時的に置く駐車場の本来の目的を超えている。 この「ずれ」が、また面白い。 が、待てよ。 この「ずれ」に類似するものを思い浮かべると、なんだか危険な気がしてきた。 ![]() ===== ●目的(間接的=将来or未来的目的) ●行動(直接的=近未来的目的) 買い物・休憩・レジャー 駐車場に車を停める よりよい生活を送る そのために お金を稼ぐ 夢を叶える 学校に行く 本来、目的(間接的=将来or未来的目的)をもって行動をするはずが、現代は行動(直接的=近未来的目的)そのものが目的(間接的=将来or未来的目的)となったことで「ずれ」が生じ、人生の価値(=幸せ)が見えにくくなっていると思う。 「お金を稼ぐ」は「お金を使って幸せになる」ための行動のはずが、稼ぐことが目的となっているのではないか。「稼ぐ」が目的となり、お金は多くあればあるほどよい、では、際限がなくなり、延々と稼ぎ続けることになる。 「目指す学校に行く」ことが目的になると、達成の可能不可能は割と早期に決着がつくので、そのあとの目標が明確に立てられなければ、目的を失ってしまうことになる。 常に、何の目的(間接的=将来or未来的目的)のために、行動(直接的=近未来的目的)しているのか、確認していなければ、幸せは見えにくくなってしまう。 ===== ![]() この作品にここまでの意味は込められていないと思うが、行動が目的にすり替えられる感覚に気づくことができた。 作品と五十嵐太郎さんに感謝。 うねった駐車場には一応、車が迷い込まないよう柵はあるが(それを目的としなければまず登らないような急な坂)、その先まで行くとバシッとアスファルト切れていて、豪快だった。小さい頃読んだ絵本「チャイクロ」の中の世界を思い出した。 そして、裏に回るとトイレだった。 あ、トイレに行くという目的があったじゃないか、この駐車場には。
by channelp
| 2009-08-16 02:28
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