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社会的排除 -- 参加の欠如・不確かな帰属

社会的排除 -- 参加の欠如・不確かな帰属_e0149596_22465445.jpgOurPlanet-TVのニュースレター用にレビューを書いた。字数制限があるので短いものが掲載される(はず)なので、全文をここに。

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「社会的排除 -- 参加の欠如・不確かな帰属」有斐閣Insight・岩田正美 (日本女子大学教授)
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もとは政治の中で「貧困」と言い換えるために生まれた「社会的排除」という言葉は、たとえば失業、低いスキル、低所得、差別、みすぼらしい住宅、犯罪、不健康、家族崩壊など複合的に苦しめられている人々や地域に生じている問題を表現したものだった。
筆者は、フランスでは社会全体から見て社会的排除が起こることが問題視され、イギリスでは社会的排除が個人の権利として問題視され、アメリカでは排除される者個人のモラルの欠如が問題視されていると分析している。さらに国内のホームレスやネットカフェで過ごす若者への聞き取り調査の結果をふまえ、日本における社会的排除の仕組みを分析する。
そこには社会との多角的な関わりがないために、行き場を失い自ら、もしくは必然的に排除されてしまうという図式が浮かび上がる。さらに、生活保護を受ける基準の厳しさなどから、やはり日本もアメリカと同じで、個人のモラルの問題とされがちであることがわかる。ここに私は自己責任論という特定の層が作り出した責任転嫁の構図を感じた。しかし、同時に感じたことは、問題は制度改革だけではなく、家族や地域での人付き合いをいかに活性化させるか、という課題であった。排除されてしまう人々の悲しいストーリーに心が痛んだ。愛情をもって人に接する、仲良くする、という基本的な人間関係の作りにくさや、コミュニケーションの希薄化が現世代や次の世代に与える影響を今一度問い直したくなった。人には愛が必要だ。

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と先週レビューを書き、今日、最近お会いした芸術家の彦坂尚嘉さんのブログ「彦坂尚嘉の〈第41次元〉アート2」を見て、とても共感した。この記事だ。
人間関係の素描(校正1) [生きる方法]

彦坂さんには不思議といろいろなものを共有させていただいているような気がしている。
「偽善」についてとても多く話した。
アトリエにも呼んでいただいたり、ブログでも紹介いただいた。
緊急討議:レム・コールハースの現在(大幅加筆画像追加動画追加) [建築]
来月、越後妻有トリエンナーレでの制作や記録のお手伝いをさせてもらう予定だ。あ、ボランティア組織こへび隊に連絡しなければ。

私もまた、人間や社会に絶望や死を見て、苦しみながら、いつかどうにかしてやるぞと痛い胸を風にさらす。

しかし、最近は自己矛盾と戦って疲弊したりも、している。そろそろ抜け出さないといけない。
by channelp | 2009-06-15 23:03
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