人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 【写真】my room6 原発作業員になった知人にかける... >>

医者とメディアの権力は同じくらい強い

6/30・7/1に福島県いわき市で行われた「第1回ふくしまフォーラム」に記録担当として同行した。
全体会は全編を撮影。分科会はそれぞれの会場を回り、数分ずつ撮影したものを個別に編集した。

医者とメディアの権力は同じくらい強い_e0149596_1151350.jpg


中でも、医師の色平哲郎先生(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)の話は、ユーモア(皮肉)たっぷりに現代の医療問題を解き明かす。
「それを言っちゃあ、おしまいよ」的な話のオンパレード。
私が聞けたのは、医者とメディアの権力についての話。
数分しか聞けなかった話のほとんどをカットせずに仕上げた。



私なりの解釈で、ざっとまとめると、

* * *
予防医療では医者は儲からない。
患者が多いほうが医者は儲かる。
開業医(地方のお医者さん)の立場で言うと、重症じゃない患者が適当に来てくれるのが一番よい。重症だと大きな病院にいってしまうから。
メディアも同じで、事件事故があったほうが儲かる。
もし消防が民営化されて出来高払いになったら、火事が増えるかもしれない・・・
軍隊が民営化されたら、戦争が起こるかもしれない・・・
利潤の追及とはそういうものである。

メディアを正しく読み解く「メディアリテラシー」が重要。
色平先生がラジオで紹介され、患者が殺到したという番組を題材に、いかにメディアが強い権力を持っているか、相手を規定しているか、医者のような権力だ。
医者がレントゲン写真を見ながら数分沈黙する、あるいは検査中に慌てるだけで、患者はどれほど不安になるか。医者の言葉がどれほど患者心理を左右させるか。
メディアの沈黙、言葉がどれほど視聴者の心を左右させるか。

医者をあてにせず、利用するつもりで、自分の問題として引き受けて、考えること。
メディアあてにせず、正しく読み解き、自分の問題として引き受けて、考えること。

(動画の後半は、色平先生の話の後に行われた医療・介護の人材流出を考えるワークショップの模様)

* * *

こうやって、立場を脅かす恐れがあるにもかかわらず、現状の問題点を語ってくれる人の声はとても大事だ。
当たり前だけど、医師だって、メディアに関わる人だって、人間なのだ。
現実の厳しさを感じながら、こういう方がいることに「世の中捨てたもんじゃないな」と、元気になる。
by channelp | 2012-08-11 12:10 | BLOG
<< 【写真】my room6 原発作業員になった知人にかける... >>