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越後妻有レポート(詳細版2)

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関東地方はおとといだったか、梅雨が明けたそうだ。夏が来た。毎日30度を超える日が続いている。確かに暑い。
東京の夏は初めて経験する。昨年まで暮らしていた北海道では、今日も半袖では肌寒く感じるそうで、実家で一人暮らしの母は寒いと言っていた。こちらは暑いと言ったら、夏に負けないようにね、とメールが届いた。風邪ひかないようにね、と私も母にメールを返した。今年還暦を迎え退職した母とはここ5年くらい、会うとたまに喧嘩もするが、仲良しでいる。

越後妻有で撮った写真を一部UPした。一部といっても77枚もある。
感覚で選んでいったら77枚になった。

昨日、戸塚の横浜フォーラムで小鹿夏さんというアーティストに出会った。彼女は「イモリのしっぽ」という長編の物語を描いている。不思議で深い物語だ。彼女の作品については後ほど改めて書く。その「イモリのしっぽ」という物語は77章からなる作品だそうだ。現在は1章、年間3章くらいずつ、20年以上かけて描き上げるのだと話していた。

越後妻有での写真はこちらです。
http://picasaweb.google.co.jp/cizca.k/200971012Echigotsumari#

田麦での彦坂さんの制作、津南からの間伐材運び、三省(さんしょう)という廃校を利用した宿泊施設、農舞台という建物周辺、おいしいお蕎麦屋さん、彦坂さんの作品も展示される工事中のイタリアンレストラン、周辺の過去の作品も映っています。
私が映っている周辺の写真は、アーティストの中川晋介さんが撮ってくれたものです。

彦坂尚嘉さんがブログ(彦坂尚嘉の〈第41次元〉アート2「メーキングビデオの最初のもの [制作]」)に書いていたように、雨の中、水を吸って重くなった間伐材を運ぶ場面が今回の山場だった。少しの斜面も段差も登れない軽トラックを押したり、脱輪して山から落ちないよう誘導したり、ガソリンの残量に気を配ったり、街灯のない雨の山の夕方、少しずつ暗くなっていく恐怖も感じながら、制作の大変さが身に沁みた。今は、林業に携わる人や、登山する人の身体を考えている。

おいしい空気とお米とお蕎麦、ものすごい強い作品や美しい風景、その裏側にある別のもの―

ここまでUPしたものは全て私のデジカメで撮ったものだが、今回はDVテープで録画するビデオカメラでも撮影した。よき理解者である先輩が、越後妻有に行くという話を聞いて「カメラ貸すから回したら」と言ってくれたのだ。

2日目の夜、前日撮った1本を見てから眠りについた。想像していた画より、生生しかった。これからそれをまとめる作業に入ろうと思う。

私はまだ、自分の表現、というものに常に正面から向かえていないと思っている。
何が邪念で、何が邪念でないのか。
邪念を捨てることがよいのか、悪いのか。
まだわかっていない。

ただ今回、無心で、ただ撮る、という身体を手に入れられたことが私にとって大きい。

帰りの車内で思い出した。
なぜ私は、北海道からここに来たのか。
知らないことを知りたかったから。見たことないものを見たかったから。出会ったことのない人に出会いたかったから。

そして次の瞬間に浮かんだことを、すんなりと受け入れることにした。
いったん、リセットしよう。私はそれを望んでいる。

私は、わがままなやつです。でも、そのわがままを自分で受け入れることでしか、私は生きていけないなぁ、と思っているのです。

◆関連リンク
◆これまでのこのブログ内での越後妻有に関する記事
・越後妻有レポート(詳細版1)
・越後妻有レポート
◆「彦坂尚嘉の〈第41次元〉アート2」を越後妻有で検索
◆「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」
by channelp | 2009-07-16 15:37
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